241号

    
  がんばろう!東北  
  平成29年10月1日
  ● 概算要求
建設業の人材確保・育成策推進18年度概算要求 (国交・厚労省)
 国交省と厚労省は、18年度に取り組む建設業の人材確保・育成策をまとめ、18年度予算の概算要求に盛り込んだ。
 国交省は、前年度当初予算比273.2%増の5.3億円、厚労省は23.3%増の154.5億円を計上。
 引き続き現状認識の共有や相互の施策支援などの連携を図りながら、人材確保・育成に多角的に取り組む。両省の建設業向け施策は次の通り。
【国交省】
 ▼ 働き方改革の推進
 ▼ 社会保険の加入徹底・定着
 ▼ 専門工事業等に関する評価制度の構築に向けた検討(新規)
 ▼ 地域建設産業における多能工化・協業化の推進(新規)
 ▼ 多様な入札契約方法の活用促進事業
【厚労省】
 ▼ 建設事業主等に対する助成金による支援
 ▼ 中小専門工事業者の安全衛生活動支援事業
 ▼ 雇用管理責任者等に対する研修等の実施
 ▼ 建設工事の発注・設計段階における労働災害防止対策の促進事業
中小・中堅の多能工化推進へ ― モデル事業で育成後押し (国交省)
 国交省は、18年度から地域建設業の多能工化と協業化の推進に向けて、中小・中堅建設企業で構成するグループを対象にしたモデル事業を実施する。
 多能工モデル事業では、多能工育成・活用計画策定と実施を支援。土木では鉄筋・型枠・コンクリート打設など、建築では塗装・防水・内装などの多能工化を想定する。
 協業化モデル事業では、協業化計画の策定実施を後押しする。グループ各社が保有する建設機械などの経営資源をグループ内で有効活用し、業績の安定化につなげる。
 国交省では、これら取り組みの有効性や対象職種などを検討するための実態調査も行い、多能工化・協業化の手引きを作成。地域建設企業の生産性向上に役立ててもらう
民間工事でモデル事業 ― 建設業の働き方改革 (国交省)
 国交省は、建設産業の働き方改革に向けた施策を18年度から本格化させる。
 週休2日制を前提とした適正な工期設定など公共工事の取り組みを民間工事にも浸透させるため、実態調査や先導的なモデル事業を実施。
 技術者の長時間労働是正に向けた検討のほか、女性技術者の入職・定着に取り組む企業や団体の課題解決を支援する。
 また、現場だけでなく建設企業全体の業務効率化を支援する観点から、建設業許可や経営事項審査といった申請書類の簡素化・電子化にも取り組む。
取組みの遅れている市町村を支援 ― 施工時期の平準化 (国交省)
 国交省は、18年度の概算要求に盛り込んだ「多様な入札契約方式の活用促進事業」の一環として、発注工事の施工時期を平準化する取り組みが遅れている市町村の支援に乗り出す。
 本年度内に、先進的な取り組みを実施している地方自治体を調査し、平準化対策に関するノウハウや工夫などを抽出。取り組みが遅れている市町村に発注者支援業務などに携わる専門家を派遣し、最適な年間発注計画の策定に向けた実務的な支援を行う。
● その他
都道府県に職人基本法の計画策定促す ― 推進会議開催へ (国交省)
 国交省は、「建設工事従事者安全健康確保推進法(職人基本法)」の基本計画を受けて、「建設工事従事者安全健康確保推進会議」を全国8ブロックで開催する。北海道・東北ブロックでは12日、仙台市で開く予定。
 職人基本法の基本計画では、厚労省の各都道府県労働局、国交省の各地方整備局、都道府県、建設業団体などで構成する推進体制を地域レベルで整備し、都道府県計画の策定を促進することが明記されている。
 会議では、基本計画に盛り込まれた内容を幅広く情報提供し、都道府県計画の策定を促すとともに、各都道府県の取り組みを共有する場としても活用する。
「働き方改革行動憲章」を策定建設業の働き方の指針に (全建)
 全建は、地域建設業が目指すべき働き方の指針となる「働き方改革行動憲章」を策定した。
 長時間労働の抑制や生産性向上、適正価格・工期による受注の徹底など10項目を改革実現に向けて実施すべき取り組みとして盛り込んでいる。
 今後、全建、各都道府県建設業協会、会員企業は改革の実現に向けて憲章を最大限尊重した取り組みを積極的に展開する。
 近藤会長は「人材獲得競争に勝ち抜き、将来にわたって地域に貢献していくための指針として策定した。改革に一丸となって取り組む」と決意を表明した。
適正受注で直用・月給制に取り組む (建専連)
 建専連は、働き方改革における週休2日制の推進に向け、技能者の直用(社員化)・月給制に取り組む。
 11月16日に開く建専連の全国大会で会員団体に要請する。
 
新卒就職後3年以内での離職、建設業は4割 (厚労省)
 14年3月卒業者で建設業に就職した3万8,862人のうち、就職後3年以内に仕事を辞めたのは1万5,119人で、卒業後3年以内離職率が38.9%となったことが、厚生労働省がまとめた新卒者離職状況から明らかになった。
 前年の卒業者と比べ離職率は0.9P低下した。このうち高卒者は1万4,958人の就職に対し、7,140人が仕事を辞め、3年以内離職率は0.6P減の47.7%となった。
 前年と比べ離職率は下がったものの、ほぼ2人に1人が離職している状況は変わっていない。
 全産業の高卒離職率40.8%と比べ、建設業の離職率は6.9Pも高く、担い手を確保しても、定着が困難であることを改めて浮き彫りにしている。
i-Con連絡調整会議を開催ICT活用の発注見通し公表へ (東北整備局など)
 産学官が結集してICTの全面的な活用方策を検討する「第5回東北復興i-Construction連絡調整会議」が開かれた。
 この中で東北整備局は、ICT施工に関する実務者レベルの意見交換会を県ごとに設置することを提案。
 また、ICT活用工事の発注見通しや実績をホームページに掲載する方針を示し、各県への参加を呼び掛けた。
主な動き
▼ 18年度震災復興特会概算要求 ー 21.4%減の2.1兆円 (政府)
▼ 国土強靱化・公共事業費が宇概算 ー 18.9%増の4.6兆円 (政府)
▼ 法定福利費内訳書に事業主負担額、直轄は1日か ら(国交省)
▼ 下請の社保未加入、直轄では次数問わず元請に罰則 (国交省)
▼ 保険加入定着へ2.5万社を実態調査 (国交省)
▼ 建設業の海外展開、実務マニュアルを作成 (国交省)
▼ 16年度工事検査実績 ー 工事成績は0.5P減の80.5点(宮城県)
▼ 大型補正予算の早急な編成を要望 (全建)
▼ 地域防災力向上、中長期の事業量見通し要請 (全建)
▼ ICT活用で女性活躍の場拡大へ ー 宮城女性の会 30人参加で初の勉強会 (宮建協)
▼ インフラ老朽化対策で連携 ー 協定を締結 (東北大・東北建協連)
研修 他
3日  建設労働者緊急育成支援事業 第4回建設コース訓練
12日 監理技術者講習会
26日 建設業担い手確保セミナー
   
   

一般財団法人みやぎ建設総合センター