東北建設業協会連合会

フォーラム:がんばろう!東北

震災・復興 進もう!土の東北へ

開催概要

 フォーラム「がんばろう!東北-震災・復興 進もう!次の東北へー」が7月13日㈬に仙台市の江陽グランドホテルで開催されました。

 このフォーラムは、東北経済連合会、東北建設業協会連合会、東北六県商工会議所連合会、東北・北海道中小企業団体中央会連絡協議会、東北六県・北海道商工会連合会連絡協議会の5団体で構成する「東北の社会資本整備を考える会」が主催。東北各県の建設・経済界などから330名余が参加しました。

 経世論研究所所長で作家の三橋貴明氏の基調講演と、宮城県石巻市と福島県相馬市在住の女性2人の意見発表などを通して、社会資本整備が防災・減災や地域活性化に果たす役割の大きさと重要性などを共有しました。

 最後に、東北における高規格道路の空白域解消、産学官民の連携による震災伝承、デジタル化や働き方改革の推進支援など7項目を国に要望する決議採択を行い、今後の東北の発展に向け、社会資本整備の議論を深めていくことを確認し合いました。

主催者代表挨拶

(一社)東北経済連合会会長 増子次郎氏

東北の太平洋側では、2021年に復興道路・復興支援道路が全線開通し、新たな高速バスルートの誕生や、沿線自治体の連携が加速しています。一方で日本海沿岸自動車道のミッシングリンクや日本海側と太平洋側をつなぐ高規格道路の未整備から、東北域内の地域間格差が顕在化しています。高速道路の整備は、地域間の交流・連携を強化し、観光・物流をはじめとする東北の産業・経済の活性化や、災害時の広域的リダンダンシー確保の観点から、早急な整備促進が必要です。

昨今、自然災害が激甚化・頻発化しています。フォーラムを通じ、国土強靭化対策および社会資本整備の取り組みについて、皆さんと共有していきたいと思っています。

ご来賓挨拶

宮城県副知事 遠藤信哉氏
宮城県議会議長 菊地恵一氏
東北地方整備局長 山本巧氏

意見発表

宮城県 (株)デ・リーフデ北上 内海なつき氏

宮城県石巻市北上町にある株式会社デ・リーフデ北上は、2014年4月23日に設立、施設を整備し2016年8月末に稼働しました。オランダ式フェンロー型ガラス温室でトマト約1.1ヘクタール、パプリカ約1.3ヘクタールを栽培しています。従業員は正社員8名、パート社員39名の合計47名。トマトとパプリカの生産から販売まで、スマート農業によって栽培しています。

ハウスのある北上川沿岸の釜谷崎地区は、東日本大震災で壊滅的な被害を受け、住むことが出来ない地区になりましたが、すぐ近くには復興団地が整備され、市役所の支所や保育所などの行政施設や、飲食店や公園、北上川のビジターセンターなどが整備されました。日常生活を送るエリアと、週末レジャーとして往来可能なエリアに復興しましたので、今後はこの北上町をさらに発展させたいと考えております。

戻れなくなった地域ではありますが、雇用の場を生み出し、新しい地域として蘇らせるべく、この地域にハウスを建設しました。また、石巻市やそれ以外の場所からもたくさんの人に来ていただけるよう、直売所やレストランも整備しました。復興して元に戻るだけでなく、この地域がまた発展するために、若い力とスマート農業で取り組んでいきます。

福島県 割烹やました 女将 鈴木智子氏

福島県相馬市で、昭和59年から「割烹やました」をやっております。相馬市といえば相馬野馬追が、毎年7月最終週の土曜日、日曜日、月曜日に開催されていますが、ぜひ高速道路を使って見に来ていただければと思います。

相馬市と山形県米沢市を結ぶ東西の高速道路が完成したおかげで、遠くから相馬市にお越しになる方がかなり増えております。岩手県からいらっしゃる方もおりますし、今ブームの道の駅めぐりに来ましたという方も大変増えております。また同じ県内でも、相馬市から通勤などで福島市に行かれる方、逆に中通りや会津から相馬市にいらっしゃる方も非常に増えました。中通りや会津の方はなかなか海を見る機会がないので、それもあってご来相が増えているのかと思います。

当店では昔からトラフグを扱っておりますが、昨年頃から地元の港で天然のトラフグの漁獲量が全国一になっており、とても喜んでおります。また天然のうなぎもあり、相馬の食材が全国から非常に注目を浴びております。フグは9~11月がシーズンになりますので、ぜひ高速道路を使っておいでいただければと思います。

基調講演

演題「今こそ土建国家の復活を! 国土強靭化こそが繁栄の道」
講師 (株)経世論研究所所長 作家 三橋貴明氏

財務省主導で公共投資抑制が続いています。このまま日本が社会資本、あるいは公共投資抑制をしていくと、20年くらいで土木、建設の供給能力が著しく既存してしまい、次の震災が起きた時には、自国の企業や人材、技術では復興出来なくなります。だからこそ今、その状況を転換しなければなりません。インフラだけでなく、科学技術力の弱体化にも凄まじいものがあります。例えば国土計画を復活させ、長期の社会性のインフラを整備し、予算を付けていく必要があります。

国債発行額が増え続けると、債務不履行(デフォルト)に陥るとおっしゃる方々がいらっしゃいますが、日本やアメリカなど、先進国の自国通貨建て国債のデフォルトはあり得ません。やるべきことは政府が国債を発行し、我々から財やサービスを買い、すなわち仕事を作れということです。経済成長のために、政府が投資をしていくのは当たり前のこと。新幹線整備や防災、生産性向上などの公共投資は、民間整備投資の呼び水としても極めて有効です。

要望採択

東北六県。北海道商工会連合会
連絡協議会会長 佐藤浩氏

  • ▷復興関連予算の継続的な確保
  • ▷東北の社会資本整備に必要な予算の大幅な増額と、安定的・継続的な確保
  • ▷「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」の計画的な事業推進と、加速化対策後も通常予算とは別枠で当初予算での安定的・継続的な確保
  • ▷高規格道路のミッシングリンクを早期に解消し、港湾・空港施設などの整備と合わせて、日本海・太平洋二面活用の強化を図る
  • ▷産学官民が連携して震災伝承に取り組むとともに、防災意識の高揚を図る
  • ▷災害発生時の迅速かつ円滑な対応のため、現場に必要な人員や体制の維持・充実と必要となる資機材の確保
  • ▷建設業の担い手確保や生産性向上に資するデジタル化、働き方改革推進につながる支援を継続的に講じる

など、7項目を盛り込んだ決議を、参加者全員で採択しました。