フォーラム:がんばろう!東北 2024
進もう!次の東北へ
開催概要
東日本大震災から13年が経過し、復興事業で整備されたインフラは各地で多様な効果が得られている。一方で東北地方は未だ社会資本整備が不十分で、加えて頻発する自然災害に備える国土強靭化など、東北の持続的発展と安心・安全の確保に必要な社会資本整備が極めて重要となっている。また、東北地方は、全国に先駆けて少子高齢化が進み急激に労働人口が減少しており、働き方改革による担い手確保と生産性向上が必要不可欠となっている事から、「本質的な働き方改革で東北を元気に!」と題して、(株)ワーク・ライフバランスの浜田紗織 氏からご講演を頂きました。人口減少時代を迎えた中で、勝ち残るための「経営戦略としてのワーク・ライフバランス」の紹介は、東北地方が抱える課題解決の一助になる貴重な講演でした。また、東北地方で飲食業と観光業を営むお二人の方から、観光振興に向けた道路交通網のミッシングリンクの解消と社会資本整備の重要性が訴えられました。最後に、東北の社会資本整備に必要な予算の計画的・長期安定的確保、建設業の担い手確保や生産性向上に資するデジタル化など、8項目について参加者約500人で決議を行い、東北の発展に向け、社会資本整備の議論を深めていくことを確認しました。

主催者代表挨拶
(一社)東北経済連合会会長 増子次郎 氏
東北の太平洋側においては、2021年に復興道路・復興支援道路が全線開通し、工場立地の増加や地域経済の活性化など、社会資本整備の様々なストック効果が表れている一方で、日本海側の高速道路や日本海側と太平洋側を結ぶ高規格道路が未整備の部分があり、東北域内で地域間格差が顕在化している。
東北の高いポテンシャルを活かすためには、地域間の連携強化や災害時の広域的リダンダンシー確保のための高速道路ネットワークや、日本海・太平洋2面活用型国土形成が必要。
国土強靭化に向けた継続的な予算確保、高速道路の早期全線開通など社会資本整備を東北の最重要課題として強く政府に求めたい。

ご来賓挨拶
宮城県知事 村井嘉浩 氏(伊藤哲也副知事よりご代読)
フォーラム「がんばろう!東北」を通じて、災害に強い社会資本整備や国土強靭化対策の重要性を再認識し、東北地方が持続的に発展していく為は高規格道路網が必要。 また、東北地方には更なる投資が求められており、企業活動や地域経済を支える高規格交通網を始めとする社会資本整備の推進に向けて関係者一丸となって協力をお願いしたい。

国土交通省東北地方整備局長 西村 拓 氏
能登半島地震の発災直後、道路などインフラが被災し、各地の被災状況把握が困難になった。東北でも半島地形を有しており同様のことが予測される。災害に屈しない強靭な国土づくりが重要。また、企業活動を支える社会資本整備が求められている。社会資本整備によって地域が元気になった東北の事例を全体で共有・発信し、東北地方の真の復興、明るい東北の実現に向けて、皆さんと取り組んでいきたい。

意見発表
山形県 ㈱上杉コーポレーション 代表取締役 遠藤 勲 氏
観光立寄施設の連携と取り組み~山形県全域を観光素材に ~
秋田県 龍門亭千葉旅館 代表取締役社長 千葉 潤一 氏
「地方創生と観光」
それぞれ観光業の現状をご紹介頂き、観光振興に向けてもミッシングリンク解消を始めとする社会資本整備が重要と訴えられました。



基調講演
㈱ワーク・ライフバランス 取締役 浜田 紗織 氏
「本質的な働き方改革で東北を元気に!」
経営戦略としてのワーク・ライフバランス
ワーク・ライフバランスは仕事の全体量を見直し、働く人全てのライフを充実させる取り組みであり、多様性が付加価値を生み出し業績もプラスになる。
また、人口が増加していた高度経済成長期の時期では、「男性の活躍」、「長時間労働」、「同じ条件の人をそろえる」、「カリスマ上司」などが生産性を高めていたが、人口減少時代を向かえ、「男女ともに働く」、「できるだけ短時間で働く」、「違う条件、多様な人材をそろえる」ことが、組織として勝ち残るポイントです。
4月から建設業も時間外労働の上限規制が適用されたが、一か月の残業45時間以内を目指すのではなく、自分達で働き方を考え、そこに近づくための取り組みがやりがいや好循環に繋がります。経営層は柔軟な考えをもって、勝てる組織と社員の充実した人生を両立してほしい。

要望採択
東北六県商工会議所連合会会長 藤﨑 三郎助 氏
下記の8項目を盛り込んだ決議を、参加者全員で採択しました。
- ▷東日本大震災の被災地の真の復興に向けた復興関連予算の継続的確保
- ▷東北の社会資本整備に必要な予算の大幅な増額と、資材高騰や賃金水準上昇にも対応できる安定・継続した財源確保
- ▷「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の最終年となる令和7年度予算の例年を上回る予算を確保と「国土強靱化実施中期計画」の速やかな策定
- ▷「東北は一つ」の理念のもと、地域間格差の是正と経済の好循環を図るため、日本海沿岸東北自動車道をはじめ高規格道路のミッシングリンクの早期に解消
- ▷事業の必要性について、新たな産業立地や防災面など、B/Cでは算出されない多様な視点で評価すること
- ▷産学官民が連携して震災伝承に取り組むとともに、防災意識の高揚を図ること
- ▷社会資本の整備・管理に加え、災害発生時の迅速かつ円滑な対応などのため、国等関係機関の必要な人員・体制の確保並びに災害対応に必要となる資機材の更なる確保
- ▷「地域の守り手」である建設業の担い手確保、生産性向上に資するデジタル化、働き方改革の推進につながる継続的な支援を講じること

