活動計画
令和6年度事業計画
本年1月に発生した令和6年能登半島地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、被災されたすべての皆様方にお見舞い申し上げます。
また、自らも被災しながら最前線で応急復旧活動にご尽力いただいている地元建設業の皆様に敬意を表します。
さて、当法人は、令和5年9月8日、一般社団法人東北建設業協会連合会として認可を受け、建設業者が組織する青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県の主要な団体を結集し、建設業の健全な発展及び社会的地位の向上を図るとともに、社会資本整備の促進に貢献し、もって東北地方の活力ある発展並びに公共の福祉の増進に寄与することを目的に新たにスタートした。前身である東北建設業協会連合会の75年の歴史で培った活動を踏襲するとともに、関係団体との更なる連携強化により、東北地方の地域建設業の発展はと地域創世のための諸活動を積極的に展開することとする。
東日本大震災より13年が経過し、復旧・復興で整備されたインフラにより様々な効果が得られているが、原子力災害に見舞われた福島県では、未だ多くの課題が依然残されており、復興は未だ道半ばである。
また、今後発災が予測されている、南海トラフ地震や首都直下地震、日本海溝・千島海溝沿い等の巨大地震への備えや激甚化・頻発化する局地的豪雨等の気象災害などに対処するため我が国の防災・減災、国土強靭化の重要性は更に増している。
国土強靭化予算については、当初予算とは別枠での確保を求めるとともに、国土強靭化基本法により新たに義務付けられた実施中期計画を早期に策定し、これまで以上の予算措置が一層求められる。
地域建設業は、頻発する災害時の対応に加え、鳥インフルエンザや豚熱等、家畜伝染病に関する防疫対策協定に基づく対応になど、地域からの要請に迅速に対応する地域建設業の必要性・重要性が一段と増している状況である。
建設業が、将来にわたって危機管理産業としての大きな社会的責任を果たしていくためには、経営基盤の強化と経営の安定化が最も重要であり、安定的かつ持続的な事業量の確保が必要不可欠である。安定的な公共事業予算の確保ついては、地域創生の観点からも地方自治体・経済団体等と連携し強力に要望活動を行うこととする。特に、東北における太平洋側と日本海側の経済格差の是正等に向けた活動をスピーディーに展開することとする。
地域を支える地域建設業が将来にわたって着実に発展し、その社会的役割を果たしていく諸施策・諸事業を従来にも増して東北6県の各建設業協会が一体となって推進することとし、「東北は一つ」を合言葉に持続的・計画的な公共事業の予算確保を始め東北全体を俯瞰した次の事業に重点を置き積極的に取り組むこととする。
重点事項
- 国民の安全・安心確保と災害に強い社会資本整備の計画的推進等について
- 適正な入札・契約制度の改善について
- 建設業における社会的責任と健全な発展への対応について
- 建設業における働き方改革の推進と生産性向上に向けた対応について
- 労働災害防止対策の推進について
- 戦略的な広報活動の推進について
- その他事業推進の方針
- 常に東北6県建設業協会・全国建設業協会と連携を図り政府並びに国会関係への要望と意見の積極的反映を図るよう努める。
- 東北地方整備局を始め関係機関との諸委員会における活動に対する積極的参加、意見・具申・協力に努める。
- 諸関係機関情報、諸資料収集配布に努める。
- 地域建設業に関する勉強会における調査・研究。
1.国民の安全・安心確保と災害に強い社会資本整備の計画的推進等について
地域におけるインフラの維持・管理や災害対応を担う建設業が将来を見通せるような、中長期的な国土ビジョンに基づく計画的・安定的な社会資本整備を着実に推進していくことが国の責務であり、その必要性と重要性を関係方面に強く訴えていく。
東日本大震災以降も、各地で頻発する自然災害に対応するため、災害に強い強靭な社会基盤の整備や防災、減災対策等を推進していくことが喫緊の課題である。また、全国で老朽化が進んでいるライフラインなど既存インフラを適切かつ計画的に維持・改修することも重要な課題である。
政府は令和5年度補正予算で約2兆2009億円の公共事業費(うち、防災・減災、国土強靭化5か年加速化対策の4年目分約1.3兆円)を計上し、令和6年度当初予算は、前年とほぼ同額の約6兆828億円が確保された。
一方で、東北地方整備局当初予算は平成22年以降大幅な減額が続いている。東北地方の社会資本整備は遅れており、今後、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震や、宮城県沖地震の発生予想確率を考慮すれば防災力強化のための予算が不可欠である。このため、東北地方整備局の予算を震災前の状況に戻す活動が喫緊の重要課題である。
加えて、防災・減災、国土強靭化5か年加速化対策について、引き続き当初予算における別枠での確保を求めるとともに、改正国土強靭化基本法により新たに義務付けられた実施中期計画を早期に策定し、防災・減災、国土強靭化が推進されるよう、現行の5カ年加速化対策以上の事業量の確保について品確議連や国土強靭化推進本部等に強く要望する。
更に、資材や燃料価格の高騰及び賃金水準の上昇に応じた公共事業予算の増額と安定的な予算確保が不可欠であり、各協会において地域に必要な社会資本整備等について地域の声を集め、事業量・事業費の「見える化」等について東北ブロックとしての提言・要望を行うこととする。
加えて、建設工事量の地域間格差の是正に向けた要望についても積極的に展開することとする。
特に、社会資本整備の必要性についてストック効果等、広く理解を得るため当連合会は、「東北の社会資本を考える会」の組織を先導し、地域創生の観点からも東北の自治体・経済団体と共に関係方面に強く訴えていく責務を果たすこととする。また、国土交通省と全国建設業協会共催による地域懇談会やブロック会議等において、建設業界が抱える諸問題について関係機関に提言し、解決策を検討する。
2.適正な入札・契約制度の改善について
新・担い手3法改正後の適切な運用のため、関係機関における運用状況に注視し、受注工事における収益状況等について研究する。特に、改正品確法については、国はもとより地方公共団体、特に市町村等への浸透、運用徹底状況等について調査・分析を行い、問題・課題を抽出し、具体的な改善提案を行うこととする。特に、地方自治体、とりわけ市町村における建設資材の実勢価格の的確な反映等、適正な利潤を確保できる予定価格の設定、関係機関との協議が整った後での精度の高い設計に基づく発注、適切な設計変更、速やかな繰り越し手続きや債務負担行為の活用による施工時期の平準化などの取組など、新たな運用指針の浸透、運用状況等に関する調査・分析を行うとともに、改正建設業法に基づく「工期に関する基準」の運用実態のほか、「事業加速円滑化国債」の活用状況の把握に努め、提言・要望を行う。
国土交通省においては、総合評価落札方式における賃上げを実施する企業に対する加点措置を実施しており令和6年度においても、引き続き実施されるため、賃上げ実績の確認運用等については、今後も信ぴょう性の高い確認方法等について提案する。
また、12年連続での労務単価の引き上げがなされた。今後も企業の安定化を図るため、調査基準価格の更なる引き上げや現場管理費の引き上げ等についても強く要望していく。
急速に老朽化が進む社会資本の本格的な更新時代を迎え、今後、維持更新の重要性が一層高まることから、老朽化対策等に関する知見等を収集するとともに、維持管理分野に関する地域建設企業の果たすべき役割、施策の動向を注視する。特に除雪については、国土交通省等に要望しており、令和4年度冬期より、受発注者の協議により、期間待機の試行が実施された。また、令和5年度からは一部の除雪機械の運転員資格基準を改定し、技能講習の取得を義務付、除雪機械の操縦シミュレータを活用した訓練、講習会の実施などにより、除雪オペレーターの育成・確保を図ることとなった。このため、東北地方整備局との意見交換会等を通して各県自治体の契約方式、待機費用等の経費の状況等について調査・研究し、実態に沿った除雪費用等となるよう、市町村への指導を含めて国及び県に要望していくこととする。
特に、品確法について、今後も各発注機関における入札・契約制度改革に関する動向に注視し、(一社)全国建設業協会と連携し、提言要望していく。今後、発注官庁である東北地方整備局との意見交換会並びに「地域建設業に関する意見交換会」(東北地整各県内事務所と各県建設業協会)などを通じ、技術力、経営力、社会的信頼性などを総合的に企業評価するなどの入札・契約制度について要望していくこととする。
3.建設業における社会的責任と健全な発展のための対応について
地域建設業が地域社会からより信頼される産業を目指し、建設企業のコンプライアンスの徹底に取り組むため、引き続き(一社)全国建設業協会が改正した「建設企業(団体)行動憲章」の趣旨の徹底を図るとともに会員並びに建設業界への周知に努める。
また、各企業には、多様なステークホルダー(利害関係者)に対して、様々な責任を果たすことがこれまで以上に求められており、経済的利益に加え、社会貢献、環境、法令遵守等の幅広い分野における社会的価値を重視し、CSR活動の推進を図る。
更に、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが国際的に求められている中で、地域建設業のSDGsの課題等について情報収集する。特に、SDGsの大きな柱である脱炭素社会の構築に向け地域建設業がどのように貢献できるか、建設業の脱炭素を達成する上での課題等について、全建が作成した「地域建設業SDGs経営指針」に基づき理解促進と意識情勢を図ることとする。
女性活躍、子育て、ワークライフバランス等の推進については、国土交通省工事の総合評価項目に加えられる等その重要性が増していることから地元企業に「えるぼし認定、トライくるみん・くるみん・プラチナくるみん認定、ユースエール認定」に関する理解を図り、周知する。
一方、地方の建設業協会会員は、地域の活性化・継続的雇用の確保・自然災害時の応急対応・公共施設維持管理等を始め、行政施策に対する積極的な協力等地域の基幹産業として重要な役割を担っており、平時よりインフラの「地域の守り手」として活動、有事の際は、いち早く現場に駆けつける危機管理産業として将来ともその責任を果たしていかなければならない使命を持っている。地域建設業における事業継続計画(BCP)の策定・見直し等への支援するほか、自然災害の「不可抗力」により生じた工事目的物の損害額の受注者負担の撤廃について提言・要望を行う。
その協会会員の全てが中小企業であり、優れた経営力、技術力を有し、長年にわたり地域からの信頼ある協会会員である建設業者が適正な経営を維持出来るようにするためにも、官公需法の堅持と受注量の確保並びに工事の平準化対策等について関係機関に当連合会として強く要望活動を行うこととする。また、東日本大震災発生より13年を迎え、東北地方整備局と締結している災害協定書の記載内容について、実際の応急復旧活動時における課題等について、意見交換を行い、災害協定書に記載すべき項目等について検討する。
4.建設業における働き方改革の推進と生産性向上に向けた対応について
本年4月からの時間外労働の罰則付き上限規制が建設業に全面適用されたことから、今後の働き方改革の着実な進展に向けて、長時間労働の是正や週休2日制の導入など、的確に対応していかなければならない。
(一社)全国建設業協会が策定した「働き方改革行動憲章」に掲げる長時間労働の是正や週休2日制の確保等の取り組みを着実に前進させることとし、阻害要因となる課題を把握し、東北地方整備局や関係機関に対しこの解決策に向けた対応に積極的に取り組むこととする。
建設産業の将来の担い手不足による社会資本の整備や災害対応等への支障が懸念されることから、若者が将来を託せる魅力ある産業に生まれ変わるべく技能労働者を始めとする全ての建設従事者の処遇改善が重要な課題である。
本年2月の設計労務単価改定は、全国平均5.9%(主要12職種6.2%)の大幅アップとなった。これを受け、引き続き賃上げ、設計労務単価の上昇、適正利潤の確保、更なる賃上げの好循環を続けるため、会員企業の建設技能者の賃上げ、下請け契約での反映等の取り組みを進めるとともに、来年度以降のさらなる労務単価の引き上げについて提言・要望を行う。働き方改革を実践するうえで避けて通れないのが、週休二日制の推進である。国土交通省においては、「建設業働き方改革加速化プログラム」に週休2日工事の適用拡大や労務費補正などを盛り込んでいるが、今後「完全週休2日」の実現に向けた環境づくりのため、工期の設定はもとより休日が増えても技能者の減収にならないよう、補正形成の引き上げや休日分を補う労務単価の増額等必要な措置について提言要望を行う。
また、技術者や建設業従事者の賃上げのため、積算基準のおける一般管理費及び現場管理費の引き上げについて提言・要望する。
ダンピング防止のため、最低制限価格制度・低入札価格調査制度の未設定または全国基準より低位にある自治体等に対し基準価格設定・引き上げに向けた働きかけを行うとともに、公契連モデルの上限枠の引き上げ、現場管理費等の算入率の引上げ等について提言・要望する。
このように、企業が「適正な利潤」を確保できる入札契約制度の仕組みの徹底、標準見積書の活用等への取組、労働福祉の向上と職場環境の改善に積極的に取り組むこととする。
加えて、建設業における女性の活躍の場を広げる取り組みを行うとともに、建設業で働く女性による意見交換の場を設営・拡大に努め、女性活躍の機運の醸成に資する広報を積極的に行う。
工事情報共有システムについては、東北6県建設業協会で組織する「情報共有普及東北6県協議会」並びに「東北工事情報共有システム研究会」において普及・改善活動を行ってきたが、令和6年2月19に改編を行い、「東北建設DX推進検討委員会」を立ち上げた。本検討委員会は、地域建設業に於ける生産性向上に不可欠なASPの活用並びに「BIM /CIM」やICT化施工(i一Construction)等の建設DX技術について広く情報を収集し、会員各社への周知、普及について検討を行うものである。建設現場は、デジタル技術を活用した生産性向上や魅力ある建設現場を目指しており、建設DXの推進に取り組んでいく必要がある。このため、6年度においては、建設DX講習会を開催し、建設現場に生産性向上に不可欠な3次元モデルやASP等のDX技術に柔軟に対応できる技術者の育成を行い、生産性向上や魅力ある建設現場を目指すものである。
従来から開催している東北地方整備局i一Constructionの取り組み等についての講習会の実施と併せ、東北各県ICT施工に関する実務者意見交換会の実施や、ICTに係る人材育成や普及に係る課題抽出、先進事例の情報共有を行うことと、東北土木技術人材育成協議会や東北復興DX・i一Construction等を積極的に活用していくこととする。
「東北地方の公共工事品質確保のための連絡会議」において、少子高齢化が進む東北地方で、災害時の迅速対応な対応とインフラの維持管理や除雪など、建設産業の担い手確保対策を東北全体へと広げることと東北地整、県、仙台市、建設業団体が連携して取り組む「東北未来働き方・人づくり改革プロジェクト」を東北管内の全市町村に対し、DXの推進を図りながら東北全体を進化することとする。
令和5年5月に成立したGX推進法に基づき建設施工分野における脱炭素化の技術や施策について情報収集に努め、会員企業に情報提供を行う。東北地方整備局や当連合会をはじめとする業界団体で構成する東北地方建設副産物対策連絡協議会において環境関連の法令等の情報収集に努めるとともに必要に応じて提言・要望する。
5.労働災害防止対策の推進について
建設業における労働災害は、全産業に占める割合をみると依然として高い割合を占めている。
第14次労働災害防止計画(令和5~9年度、厚生労働省)において建設業の重要課題とされた墜落・転落災害防止のため、「建設業における墜落・転落防止対策の充実強化に関する実務者会合報告書」(令和4年10月、厚生労働省)及び「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画」(令和5年6月、閣議決定)を踏まえた改正厚生労働省令並びに「手すり先行工法等に関するガイドライン」(令和5年12月、厚生労働省)等を周知・活用して、墜落転落防止対策の徹底に取り組む。加えて「建設業労働安全衛生マネジメントシステム」の導入推進並びに定着を図り、関係者が一致して、現場における危険有害要因の排除に努めていくことが不可欠であり、発注者、施工者一体となった一層の安全対策の徹底が求められている。
特に、最近多発している建設工事現場における交通事故による災害防止のため、交通誘導員の講習会の継続的実施と常時労働者が10人以上の建設工事現場においての「安全衛生教育」の実施の推進に努める。
また、東北品質確保安全施工協議会並びに東北地方工事安全施工大会実行委員会と連携を密にし、事故発生防止の積極的な対応に努める。
このほか、建設工事従事者の地位向上並びに福祉の向上に努める。
6. 戦略的な広報活動の推進について
日本列島で暮らす我々は、東日本大震災以降も各地で多発している自然災害等、また今後予想される巨大地震等脆弱な国土で生きていく宿命にあるとも言える。
このため、社会資本の整備・管理の重要性を国民一人ひとりが共有するとともに、それを担う建設業の役割と必要性を地域住民に理解してもらうための広報が必要である。
その担い手である各県建設業協会並びに会員企業は、法令を遵守し社会的責任を果たすとともに適正な取引秩序を確立し、「技術と経営に優れた企業」として地域住民の信頼と期待に応え、また、良質な社会資本整備を提供しながら基幹産業として雇用の場を確保し、地域経済と地域住民の安全・安心な生活の向上に貢献できるよう地域に根ざした様々な取り組みを実践している。
「広報戦略検討委員会」指針に基づき「地域の守り手」である地域建設業が地域の安全・安心を守る「危機管理産業」としてのその重要性についてできることから継続的に広報活動を展開することとする。
その他、地域建設業が新3K(給与・休暇・希望)に「かっこいい」を加えた4Kの業界として広く周知してもらう機会を創出するため、東北地方整備局と協働で、将来の建設業界を担う高校生や大学生に「建設業の役割」及び「建設業の魅力」について「就活ゼミ」の出前講座を実施することとする。また、「建設業の役割」及び「建設業の魅力」を中学生に伝える体験型現場見学会について東北6県教育委員会を通じ周知し、拡大実施していくこととする。
7.その他事業推進の方針
1.国民の安全・安心確保と災害に強い社会資本整備の計画的推進等について
地域におけるインフラの維持・管理や災害対応を担う建設業が将来を見通せるような、中長期的な国土ビジョンに基づく計画的・安定的な社会資本整備を着実に推進していくことが国の責務であり、その必要性と重要性を関係方面に強く訴えていく。
東日本大震災以降も、各地で頻発する自然災害に対応するため、災害に強い強靭な社会基盤の整備や防災、減災対策等を推進していくことが喫緊の課題である。また、全国で老朽化が進んでいるライフラインなど既存インフラを適切かつ計画的に維持・改修することも重要な課題である。
政府は令和5年度補正予算で約2兆2009億円の公共事業費(うち、防災・減災、国土強靭化5か年加速化対策の4年目分約1.3兆円)を計上し、令和6年度当初予算は、前年とほぼ同額の約6兆828億円が確保された。
一方で、東北地方整備局当初予算は平成22年以降大幅な減額が続いている。東北地方の社会資本整備は遅れており、今後、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震や、宮城県沖地震の発生予想確率を考慮すれば防災力強化のための予算が不可欠である。このため、東北地方整備局の予算を震災前の状況に戻す活動が喫緊の重要課題である。
加えて、防災・減災、国土強靭化5か年加速化対策について、引き続き当初予算における別枠での確保を求めるとともに、改正国土強靭化基本法により新たに義務付けられた実施中期計画を早期に策定し、防災・減災、国土強靭化が推進されるよう、現行の5カ年加速化対策以上の事業量の確保について品確議連や国土強靭化推進本部等に強く要望する。
更に、資材や燃料価格の高騰及び賃金水準の上昇に応じた公共事業予算の増額と安定的な予算確保が不可欠であり、各協会において地域に必要な社会資本整備等について地域の声を集め、事業量・事業費の「見える化」等について東北ブロックとしての提言・要望を行うこととする。
加えて、建設工事量の地域間格差の是正に向けた要望についても積極的に展開することとする。
特に、社会資本整備の必要性についてストック効果等、広く理解を得るため当連合会は、「東北の社会資本を考える会」の組織を先導し、地域創生の観点からも東北の自治体・経済団体と共に関係方面に強く訴えていく責務を果たすこととする。また、国土交通省と全国建設業協会共催による地域懇談会やブロック会議等において、建設業界が抱える諸問題について関係機関に提言し、解決策を検討する。
2.適正な入札・契約制度の改善について
新・担い手3法改正後の適切な運用のため、関係機関における運用状況に注視し、受注工事における収益状況等について研究する。特に、改正品確法については、国はもとより地方公共団体、特に市町村等への浸透、運用徹底状況等について調査・分析を行い、問題・課題を抽出し、具体的な改善提案を行うこととする。特に、地方自治体、とりわけ市町村における建設資材の実勢価格の的確な反映等、適正な利潤を確保できる予定価格の設定、関係機関との協議が整った後での精度の高い設計に基づく発注、適切な設計変更、速やかな繰り越し手続きや債務負担行為の活用による施工時期の平準化などの取組など、新たな運用指針の浸透、運用状況等に関する調査・分析を行うとともに、改正建設業法に基づく「工期に関する基準」の運用実態のほか、「事業加速円滑化国債」の活用状況の把握に努め、提言・要望を行う。
国土交通省においては、総合評価落札方式における賃上げを実施する企業に対する加点措置を実施しており令和6年度においても、引き続き実施されるため、賃上げ実績の確認運用等については、今後も信ぴょう性の高い確認方法等について提案する。
また、12年連続での労務単価の引き上げがなされた。今後も企業の安定化を図るため、調査基準価格の更なる引き上げや現場管理費の引き上げ等についても強く要望していく。
急速に老朽化が進む社会資本の本格的な更新時代を迎え、今後、維持更新の重要性が一層高まることから、老朽化対策等に関する知見等を収集するとともに、維持管理分野に関する地域建設企業の果たすべき役割、施策の動向を注視する。特に除雪については、国土交通省等に要望しており、令和4年度冬期より、受発注者の協議により、期間待機の試行が実施された。また、令和5年度からは一部の除雪機械の運転員資格基準を改定し、技能講習の取得を義務付、除雪機械の操縦シミュレータを活用した訓練、講習会の実施などにより、除雪オペレーターの育成・確保を図ることとなった。このため、東北地方整備局との意見交換会等を通して各県自治体の契約方式、待機費用等の経費の状況等について調査・研究し、実態に沿った除雪費用等となるよう、市町村への指導を含めて国及び県に要望していくこととする。
特に、品確法について、今後も各発注機関における入札・契約制度改革に関する動向に注視し、(一社)全国建設業協会と連携し、提言要望していく。今後、発注官庁である東北地方整備局との意見交換会並びに「地域建設業に関する意見交換会」(東北地整各県内事務所と各県建設業協会)などを通じ、技術力、経営力、社会的信頼性などを総合的に企業評価するなどの入札・契約制度について要望していくこととする。
3.建設業における社会的責任と健全な発展のための対応について
地域建設業が地域社会からより信頼される産業を目指し、建設企業のコンプライアンスの徹底に取り組むため、引き続き(一社)全国建設業協会が改正した「建設企業(団体)行動憲章」の趣旨の徹底を図るとともに会員並びに建設業界への周知に努める。
また、各企業には、多様なステークホルダー(利害関係者)に対して、様々な責任を果たすことがこれまで以上に求められており、経済的利益に加え、社会貢献、環境、法令遵守等の幅広い分野における社会的価値を重視し、CSR活動の推進を図る。
更に、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが国際的に求められている中で、地域建設業のSDGsの課題等について情報収集する。特に、SDGsの大きな柱である脱炭素社会の構築に向け地域建設業がどのように貢献できるか、建設業の脱炭素を達成する上での課題等について、全建が作成した「地域建設業SDGs経営指針」に基づき理解促進と意識情勢を図ることとする。
女性活躍、子育て、ワークライフバランス等の推進については、国土交通省工事の総合評価項目に加えられる等その重要性が増していることから地元企業に「えるぼし認定、トライくるみん・くるみん・プラチナくるみん認定、ユースエール認定」に関する理解を図り、周知する。
一方、地方の建設業協会会員は、地域の活性化・継続的雇用の確保・自然災害時の応急対応・公共施設維持管理等を始め、行政施策に対する積極的な協力等地域の基幹産業として重要な役割を担っており、平時よりインフラの「地域の守り手」として活動、有事の際は、いち早く現場に駆けつける危機管理産業として将来ともその責任を果たしていかなければならない使命を持っている。地域建設業における事業継続計画(BCP)の策定・見直し等への支援するほか、自然災害の「不可抗力」により生じた工事目的物の損害額の受注者負担の撤廃について提言・要望を行う。
その協会会員の全てが中小企業であり、優れた経営力、技術力を有し、長年にわたり地域からの信頼ある協会会員である建設業者が適正な経営を維持出来るようにするためにも、官公需法の堅持と受注量の確保並びに工事の平準化対策等について関係機関に当連合会として強く要望活動を行うこととする。また、東日本大震災発生より13年を迎え、東北地方整備局と締結している災害協定書の記載内容について、実際の応急復旧活動時における課題等について、意見交換を行い、災害協定書に記載すべき項目等について検討する。
4.建設業における働き方改革の推進と生産性向上に向けた対応について
本年4月からの時間外労働の罰則付き上限規制が建設業に全面適用されたことから、今後の働き方改革の着実な進展に向けて、長時間労働の是正や週休2日制の導入など、的確に対応していかなければならない。
(一社)全国建設業協会が策定した「働き方改革行動憲章」に掲げる長時間労働の是正や週休2日制の確保等の取り組みを着実に前進させることとし、阻害要因となる課題を把握し、東北地方整備局や関係機関に対しこの解決策に向けた対応に積極的に取り組むこととする。
建設産業の将来の担い手不足による社会資本の整備や災害対応等への支障が懸念されることから、若者が将来を託せる魅力ある産業に生まれ変わるべく技能労働者を始めとする全ての建設従事者の処遇改善が重要な課題である。
本年2月の設計労務単価改定は、全国平均5.9%(主要12職種6.2%)の大幅アップとなった。これを受け、引き続き賃上げ、設計労務単価の上昇、適正利潤の確保、更なる賃上げの好循環を続けるため、会員企業の建設技能者の賃上げ、下請け契約での反映等の取り組みを進めるとともに、来年度以降のさらなる労務単価の引き上げについて提言・要望を行う。働き方改革を実践するうえで避けて通れないのが、週休二日制の推進である。国土交通省においては、「建設業働き方改革加速化プログラム」に週休2日工事の適用拡大や労務費補正などを盛り込んでいるが、今後「完全週休2日」の実現に向けた環境づくりのため、工期の設定はもとより休日が増えても技能者の減収にならないよう、補正形成の引き上げや休日分を補う労務単価の増額等必要な措置について提言要望を行う。
また、技術者や建設業従事者の賃上げのため、積算基準のおける一般管理費及び現場管理費の引き上げについて提言・要望する。
ダンピング防止のため、最低制限価格制度・低入札価格調査制度の未設定または全国基準より低位にある自治体等に対し基準価格設定・引き上げに向けた働きかけを行うとともに、公契連モデルの上限枠の引き上げ、現場管理費等の算入率の引上げ等について提言・要望する。
このように、企業が「適正な利潤」を確保できる入札契約制度の仕組みの徹底、標準見積書の活用等への取組、労働福祉の向上と職場環境の改善に積極的に取り組むこととする。
加えて、建設業における女性の活躍の場を広げる取り組みを行うとともに、建設業で働く女性による意見交換の場を設営・拡大に努め、女性活躍の機運の醸成に資する広報を積極的に行う。
工事情報共有システムについては、東北6県建設業協会で組織する「情報共有普及東北6県協議会」並びに「東北工事情報共有システム研究会」において普及・改善活動を行ってきたが、令和6年2月19に改編を行い、「東北建設DX推進検討委員会」を立ち上げた。本検討委員会は、地域建設業に於ける生産性向上に不可欠なASPの活用並びに「BIM /CIM」やICT化施工(i一Construction)等の建設DX技術について広く情報を収集し、会員各社への周知、普及について検討を行うものである。建設現場は、デジタル技術を活用した生産性向上や魅力ある建設現場を目指しており、建設DXの推進に取り組んでいく必要がある。このため、6年度においては、建設DX講習会を開催し、建設現場に生産性向上に不可欠な3次元モデルやASP等のDX技術に柔軟に対応できる技術者の育成を行い、生産性向上や魅力ある建設現場を目指すものである。
従来から開催している東北地方整備局i一Constructionの取り組み等についての講習会の実施と併せ、東北各県ICT施工に関する実務者意見交換会の実施や、ICTに係る人材育成や普及に係る課題抽出、先進事例の情報共有を行うことと、東北土木技術人材育成協議会や東北復興DX・i一Construction等を積極的に活用していくこととする。
「東北地方の公共工事品質確保のための連絡会議」において、少子高齢化が進む東北地方で、災害時の迅速対応な対応とインフラの維持管理や除雪など、建設産業の担い手確保対策を東北全体へと広げることと東北地整、県、仙台市、建設業団体が連携して取り組む「東北未来働き方・人づくり改革プロジェクト」を東北管内の全市町村に対し、DXの推進を図りながら東北全体を進化することとする。
令和5年5月に成立したGX推進法に基づき建設施工分野における脱炭素化の技術や施策について情報収集に努め、会員企業に情報提供を行う。東北地方整備局や当連合会をはじめとする業界団体で構成する東北地方建設副産物対策連絡協議会において環境関連の法令等の情報収集に努めるとともに必要に応じて提言・要望する。
5.労働災害防止対策の推進について
建設業における労働災害は、全産業に占める割合をみると依然として高い割合を占めている。
第14次労働災害防止計画(令和5~9年度、厚生労働省)において建設業の重要課題とされた墜落・転落災害防止のため、「建設業における墜落・転落防止対策の充実強化に関する実務者会合報告書」(令和4年10月、厚生労働省)及び「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画」(令和5年6月、閣議決定)を踏まえた改正厚生労働省令並びに「手すり先行工法等に関するガイドライン」(令和5年12月、厚生労働省)等を周知・活用して、墜落転落防止対策の徹底に取り組む。加えて「建設業労働安全衛生マネジメントシステム」の導入推進並びに定着を図り、関係者が一致して、現場における危険有害要因の排除に努めていくことが不可欠であり、発注者、施工者一体となった一層の安全対策の徹底が求められている。
特に、最近多発している建設工事現場における交通事故による災害防止のため、交通誘導員の講習会の継続的実施と常時労働者が10人以上の建設工事現場においての「安全衛生教育」の実施の推進に努める。
また、東北品質確保安全施工協議会並びに東北地方工事安全施工大会実行委員会と連携を密にし、事故発生防止の積極的な対応に努める。
このほか、建設工事従事者の地位向上並びに福祉の向上に努める。
6. 戦略的な広報活動の推進について
日本列島で暮らす我々は、東日本大震災以降も各地で多発している自然災害等、また今後予想される巨大地震等脆弱な国土で生きていく宿命にあるとも言える。
このため、社会資本の整備・管理の重要性を国民一人ひとりが共有するとともに、それを担う建設業の役割と必要性を地域住民に理解してもらうための広報が必要である。
その担い手である各県建設業協会並びに会員企業は、法令を遵守し社会的責任を果たすとともに適正な取引秩序を確立し、「技術と経営に優れた企業」として地域住民の信頼と期待に応え、また、良質な社会資本整備を提供しながら基幹産業として雇用の場を確保し、地域経済と地域住民の安全・安心な生活の向上に貢献できるよう地域に根ざした様々な取り組みを実践している。
「広報戦略検討委員会」指針に基づき「地域の守り手」である地域建設業が地域の安全・安心を守る「危機管理産業」としてのその重要性についてできることから継続的に広報活動を展開することとする。
その他、地域建設業が新3K(給与・休暇・希望)に「かっこいい」を加えた4Kの業界として広く周知してもらう機会を創出するため、東北地方整備局と協働で、将来の建設業界を担う高校生や大学生に「建設業の役割」及び「建設業の魅力」について「就活ゼミ」の出前講座を実施することとする。また、「建設業の役割」及び「建設業の魅力」を中学生に伝える体験型現場見学会について東北6県教育委員会を通じ周知し、拡大実施していくこととする。
7.その他事業推進の方針
1)建設業法、独占禁止法関係法令の順守・徹底について
法令順守、地域社会への貢献等建設業が果たすべき役割と重要性を再認識しCSR活動の推進を図る。 (公財)建設業適正取引推進機構と連携し、広く会員企業に公正な競争秩序の確保とコンプライアンスの徹底を図っていくこととする。
2)建設産業人材確保・育成推進活動
厳しい建設雇用情勢において、若年建設従事者対策、技能労働者の育成、高齢者・女性の活用、情報化への対応等今後の建設業界が直面する課題についての検討と併せて、建設業のイメージアップ、労働条件の向上、労働環境の改善、技術評価体制のあり方の対応が急務となっている。
- 技能・技術継承等深刻化する後継者不足への対応。
- 「i一Construction」に対応するため、BIM /CIMやICT化施工(i一Construction)等の建設DX技術等の動向に関する情報収集や必要な人材の育成。
- 令和6年度建設DX講習会の開催。
- 全建が策定した「地域建設業における女性の定着促進に向けたロードマップ」で定めた目標達成の取組を行う。
- 建設業のイメージアップに資するための資格制度、顕彰制度、技術評価体制のあり方。
3)建設技能労働者の地位向上のための表彰の実施
国土交通省主催による「建設業に働く若者からのメッセージ」優秀作に対する表彰
4)建設産業における情報ネットワークの強化
情報ネットワークの確立推進については、連合会ホームページのリニューアルや各県建設業協会との情報の相互利用並びに迅速化を図るため電子メール・グループウェアを積極的に活用し、各関係団体との情報収集、発信に努める。リモートによるテレビ会議システムを活用し、6県専務理事会議や担当者会議等を行うため更なる充実を図る。
5)その他
- 常に全国建設業協会と連携を図り政府並びに国会関係への要望と意見の積極的反映を図るよう努める。
- 東北地方整備局を始め関係機関との諸委員会における活動に対する積極的参加、意見・具申・協力に努める。
- 諸関係機関情報、諸資料収集配布に努める。
- 地域建設業に関する勉強会における調査・研究。
諸会議と行事
1)会 議
- 総 会(連合会) 6月10日(月) 仙台市
- 理事会 4月10日(水) 仙台市 その他適宜開催し、臨機応変な活動を展開する
- 東北ブロック専務理事会議
各県協共通する諸問題につき随時開催する - 関連団体総会
東北品確安全協議会・東北土木施工管理技士会連合会
6月28日(金) 仙台市
東北建設業青年会 7月22日(月) 盛岡市 - 東北地方整備局と連合会・品確安全協議会との意見交換会 仙台市
4月23日(火)
10月8日(火)
2)行 事
- フォーラム:がんばろう!東北
7月10日(水)仙台市
(一社)東北経済連合会、東北6県商工会議所連合会、当連合会で組織する「東北の社会資本整備を考える会」の共催で実施。
要望活動 7月24日(水) - 国土交通省との地域懇談会
10月23日(水) 青森市
国土交通省と全建の共催で開催。 - 東北建設業協会ブロック会議
10月23日(水) 青森市
国土交通省並びに東北地方整備局、東北6県土木部等の幹部の出席を得て開催。
要望活動 11月20日(水) - 品確議連国会議員との懇談会
7月24日(水)
11月20日(水) - 建設事業に関する意見交換会
東北地方整備局と合議し随時開催する。 - 地域建設業に関する意見交換会
東北地方整備局各県内事務所と各県建設業協会等が合議し随時開催する。 - EE東北’24
2024年 6月5日(水)・6日(木) 仙台市 - 東北地方工事安全施工推進大会SAFETY2024
2024年10月8日(火) 仙台市 - その他 東北ブロック単位、諸会議の開催
